土をあらかた出し終えて、暗渠の工事へと入っていきます。
その前にバックホウを現場に入れて、排水の改良工事を行うときには必ず一度できるだけ深い穴を掘ることにしてます。
一日たっても水などは湧いてくる様子もなく、下から水が上がってくるような土地ではないようです。
水が多いところだと、土をどかして土圧が無くなることで、穴に水が湧き出してきます。
また、もともと地山なので層になっているのが見えます。
排水が良い土ならば、浸透桝を作って排水も考えるのですが、無理そうなので諦めました。
ちなみに深さは1.8m程度掘ってあります。
そうなると暗渠の排水はつなげられる排水桝の中で、一番深いところになります。
広い庭でしたが、幸いそれなりに勾配はつけられそうだったので、途中に雨水の溜枡を2つ追加しながら、庭の完成後の形に合わせて暗渠を設置していきます。
また後々管の洗浄が出来るようにするためと、空気の通り道も兼ねているので端部は解放、もしくはキャップで処理してあります。
排水勾配を取りながら、床掘し暗渠パイプに透水シートを巻きます。
透水シートを巻いた管をメッシュシートで包みフィルター層として単粒度砕石で再度巻いたうえで、地山と山砂を混ぜたもので埋め戻しました。
そして埋め戻し。
石積みの予定の部分は暗渠のフィルターの砕石の上に大きい単粒度砕石としました。
今回は石積みはモルタル固定なので、裏込めからの排水を速やかにするために、暗渠と連動させています。また、石積み上の排水も暗渠を数ヵ所立ち上げています。
最終的な出来形としては、62mの暗渠を設置しています。
地中への浸透が追い付かないような場合、暗渠排水を設置することで、庭の環境を改善することが出来る場合があります。
また、雨水を雨水桝へ誘導する表面排水と違うのは、
地面に傾斜を作らずに排水できることと、
一度土を浸透させてからの暗渠なので、土の中に空気を入れることが出来ることです。
土の中に空気を通すことが、植物を育てるのにとても大事なことになります。