庭木の剪定作業で、刈込っていう作業がありますね。
トリマーっていう、電動やエンジンのバリカンで、平面的にバリバリっと作業できちゃうやつですね。
画像引っ張ってきました。
このトリマーで剪定している業者は、要注意です。
もちろんメリットもあります。
1.作業が早いです。
2.まっすぐのラインが出せます。
3.素人でもほぼ同じ作業が出来ます。
1.の作業が早いという事は、安く出来るという事です。
広大な工場の生垣とか、公園や道路の植え込みなど、
特に誰かがまじまじと見るわけでもなく、
何となく遠くから見て整っている、通行の邪魔にならなければいい、
維持管理の予算はとにかく押さえたい、
という場合です。
2.のまっすぐのラインが出せる、ですが、
トリマーは基本的に直線形のバリカンですので、四角く刈るのが得意です。
がんばって玉物なんかも作れます。
3.素人でもほぼ同じ作業ができます。
枝の切る位置など、見ずに形を作れますので、プロも素人もありません。
道具の性能が7割といったところです。
では、デメリットです。
1.基本的に同じ大きさでキープできずに、だんだん植物が大きくなります。
2.見た目も手触りもゴツゴツになってきます。
3.木が弱ってきます。
4.トリマーを使っている人は、たいがい刈込以外の剪定が下手糞です。
1.同じ大きさでキープできずに、だんだん植物が大きくなるとは、
葉の無い部分で切ってしまうと、多くの植物は枝が枯れてしまったり、
葉のある時期に葉っぱが無くなってしまうような剪定はさすがにマズいという事で、
葉を残して刈るのですが、毎年刈り込んでいると葉っぱは枝のごく先端に集中するようになってしまいます。
そうすると、伸びた枝を8割詰める、次の年も8割詰めるなどのようなことになり、
毎年新芽の伸びた2割分ずつ木が大きくなってしまうわけです。
これでは庭木がどんどん大きくなってしまいます。
よく道路にはみ出した生け垣など見ますが、刈込しかしない業者ではほかに方法が無いので、そろそろ伐採しかないと勧められるかもしれません。
2.見た目も手触りもゴツゴツになってくるとは、
木は当然のことながら、毎年太くなります。
はじめは細くてトリマーで刈れた枝も、何度も刈っているうちにどんどん太くなります。
そのうちに太くて刈れなくなるので、1.のように刈込が浅くなります。
太い枝の先からは、何本もの枝が出て、しなやかな枝ぶりとはかけ離れた、無残な姿になります。
また、トリマーよる剪定は、剪定を少しでも学んだことのある人なら基本中の基本、
「外芽を残して切る」
の真逆を行っている事に気が付くと思います。
立ち上がった枝と、内芽は刈られることが無いので、剪定と呼んでいいかも怪しいです。
3.木が弱ってくるとは、
トリマーによる剪定は、木の輪郭線をどうにかしたいという考えのもとに行われます。
人でいえば、病気をしていようが、ガンや血栓の危険があろうが、人の形を保っていればいいという理論です。
そこには木の生理を考えるという事は無いのです。
表面を刈って、ボサボサして居たのがサッパリすれば何も知らない人は喜んでくれますよ。
でも、トリマーで刈るとは、枝を見て刈っているわけではないので、枯れてしまう枝が大量に出ます。
刈った枝葉が内部にたまりやすくなります。
表面の葉ばかりが大量に増えるので、風通しが悪くなります。
これでは病害虫による被害も増えます。
また、内部は暗くなり萌芽しにくいので、1.のデメリットにもつながります。
4.トリマーを使っている人は、たいがい刈込以外の剪定が下手糞ですとは、
まともな剪定をする人は、上記にした以外にもデメリットが多いことを知っています。
庭木の管理においてトリマーによる剪定は、デメリットしかないと思っています。
ではなぜデメリットばかりのトリマーを使うのか、それは多くは技術がないからです。
半人前でもトリマーを買って、バーッと刈り込めばお客さんもスッキリしたと喜んでくれて、庭師気分です。
玉物や仕立物と言われる、刈り込まれて作られているような庭木ですが、本来は刈り込んで作られていません。
枝葉の流れを整えて、作るものです。
刈込の藪のようなゴチャゴチャの枝ぶりの玉物に対し、
生け花のような洗練された枝で作られた玉物、どちらが魅力的でしょう。
昨今は、本物の素材に対しフェイクの素材も多く、
石風、枕木風のコンクリートや、
木調のアルミ製品だったり、
それらは天然素材に対し安価だったり、腐らなかったり、大きさや規格がそろっていたりと、欠点を補っている部分も少なくないです。
ただ、技術においてフェイクが優位である要素はあるでしょうか?
海外では、自然を征服する形で木もいろんな形に刈って作りこんでいた歴史もありますが、
日本人の感覚では、合わないと思いますね。
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