愛知県知多郡東浦町 剪定作業 キンモクセイ透かし剪定

いつも剪定の仕事の依頼をくださるお客さんです。

今回はキンモクセイの剪定の依頼を受けたので、季節を見計らって作業を行いました。

 

基本的に常緑樹は、寒い時期の強い剪定はダメージが大きいですので、気温的には3月下旬以降くらい、

そしてキンモクセイの花芽分化は春以降に伸びる新芽につきますので、この時期なんです。

剪定自体はいつでもできるのですが、その木の性質に合わせて、出来ること出来ないことがありますので、要注意です。

 

さて、作業前ですが、しっかりしたキンモクセイの生垣です。

天端がモコモコと段がつけて刈り込まれています。

今回の作業は、全体的に背を少し低くすることと、幅を薄くすること、透かすことです。

 

刈込で管理されていたキンモクセイは、密度が濃く枝が茂るので、透かし剪定で絡んだ枝を抜いていくと、

庭木の中でもカシノキ類と共に特に、剪定枝が多く出る樹木です。

 

結果的にこのサイズで4㎥ほど、軽ダンプで2車ほどの枝が出ました。

おそらく刈込でサラッと済ませれば、これくらいなら0.3㎥程度ではないでしょうか、10倍以上です。

 

 

そして仕上がりはこちら。

天端のモコモコ感は残しながら、背をもとの骨格より30cmほど下げました。

そして絡んでいる枝や、横へ長く伸びている枝、立ち上がっている枝などを元から抜きました。

刈込とは剪定した枝が違い、1mを超えるような枝もたくさん出ます。

感覚的には枝葉の量は最初の半分くらいになったと思います。

 

しかし、今まで刈込で管理されてきた木なので、懐に光が入らず、内部にはほとんど枝葉がありません。

適度に枝葉を残し、また次回より奥まで透かすのです。

 

「お客さんに、やってと言われたから、やった」ではプロとは言えないと思っています。

出来ないことは、

こういう理由で出来ません、

と、説明し時間をかけてでも理想に近づけるのが本当のです。

 

とは言え今回はおよそ目標のサイズまでは小さくすることが出来ました。

次回以降は、より良い枝に切り替えたり、今回取り切れなかった枯れ枝などを除いていく予定です。

花後の秋以降に形を整える剪定をし、来年の春もう一度しっかり透かすことで、より洗練されていきます。

 

これを一回で大幅に小さくすれば、枝が暴れ樹形を整えるだけでも今後苦労するのです。

サッパリしました!的な剪定をする業者やシルバーでは、サッパリするのはその時だけです。

その後枝が暴れ無残な樹形になっている庭木を多く見ます。

そしてそれを解消したくてまたサッパリさせる、の堂々巡りですが、木は一向に良くなりません。

そのうち切り口が目立ったり、木にもダメージが蓄積されます。

もはや木を、緑や花を楽しむではなく、みすぼらしいから切るだけの存在になってしまいます。

 

樹造園の剪定は、木との対話です。

どこまで剪定しても良いか、木に相談しながら、それを最優先にします。

(なので剪定後にむやみに徒長枝が出たりすることは無いです、意図的に出させることはあります)

お客さんの要望はその次です。

木が要らないなら、根元から伐採してください。

木を生かしたいなら、庭木として価値ある姿で、生き生きとした姿で管理する事が結果としてお客さんの希望をかなえる事だと思っています。

 

 

 

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