針葉樹の剪定、カイヅカイブキ、ヒバ類生垣について

なぜ山の木はのびやかに美しいのに、庭木は見苦しいのか。

それは切り方が無茶苦茶だからです。

 

SNSなどの投稿を見ていると、庭木を悪くしているのは、剪定業者の技術の無さだと痛感することが多々あります。

住宅街を見て回っても悪い剪定が大半になってくると、その剪定方法が普通だと思いがちです。

道具を揃えれば、木は誰にでも切れますが、悪い剪定によって庭木に対して失望したり悪いイメージを持ってしまうことを危惧しています。

 

庭木でよく使われる針葉樹を葉っぱの感じで大まかに分けると、

・マツ類

・スギ類

・ヒノキ類

・マキ類

・イチイ類

・コウヤマキ類

くらいでしょうか。

公園や街路樹だとイチョウやメタセコイアなんかもありますね。

 

その中でマツだけは、古葉を手でむしるイメージがあるかもしれないですね。

でも本当の剪定ではほとんどの木の古葉をむしっています。

 

 

さて表題の生垣の話です。

 

生垣で多く使われる針葉樹は、

ヒノキ科ビャクシン属のカイヅカイブキ

ヒノキ科アスナロ属のヒバ類

マキ科マキ属のイヌマキやラカンマキ

などが一般的ですが、マキは針葉樹には珍しく萌芽力が高いので今回は割愛して、

カイヅカイブキとヒバの生垣を例に話をします。

 

生垣の多くは刈り込んで剪定することが多いですが、ヒノキ科の生垣は注意が必要です。

それは葉っぱが無くなると枝が枯れるという事です。

刈込は、葉っぱ一枚一枚を見ずに作業していますので、

一定に刈っていても葉っぱが無い枝が出来てしまう事があります。

そうなると、葉っぱがある枝の分岐のところまでが枯れます。

 

この生垣は3年くらい放置されていたヒバの生垣です。

一部先祖返りして違う性質の枝が大きく伸びだしています。

枝の中を見るとよく見ると枯葉や枯枝だらけです。

 

枯れ枝や枯葉を除去したうえで、長く伸びている枝を吟味し減らしていくのが剪定です。

同じ場所を撮影しましたがどうでしょう。

 

そして作業後ですがどうでしょう。

スケスケじゃねえか!と怒られそうです(笑)

しかし、透かすことで光を入れ内部からの萌芽を促し、大きくなった生垣を薄く戻していく事が可能です。

これをしない事には、小さくすることはほぼ不可能です。

 

次の現場です。

西側のカイヅカイブキの生垣です。

内側はこんな感じ。

外側と比べると内側は日が当たらないので密度が薄くなりがちです。

そして生垣の中を見ると、

こんな感じで枯枝だらけで、光も風も通りません。

長い年月刈込だけで作業された結果です。

 

私が庭を管理するようになって、3年が経ちました。

通常の剪定の隙間時間を見つけて毎年少しずつ枯枝などとっています。

生垣の裏にも光が差し込むようになりました。

拡大するとこんな感じ。まだ道のりは長いですが、徐々に枯枝が減ってきました。

外側はこんな感じ。

内側から見ると光が抜けて見えるので、透けて見えますが、外からはしっかり目隠し機能も維持しています。

また、芽を一つ一つ確認しながら剪定していく事で、強い枝が伸びる事もほぼなくなり、全体的に茂るものの年間を通して見た目があまり変わりません。

 

伸びた枝を切るだけの刈込と、次の芽をどこに出すか考えながらの透かし剪定では、結果が違うのは明白です。

 

生垣はただ表面を刈るだけだと、枯れ枝が多く出来てしまいます。

枝を枯らしたくないから浅く刈ると、去年より大きくなってしまいます。

枯枝は、枯葉をため込んでしまいます。

強い枝が大きくなると内側に葉がある枝は日陰になり枯れてしまいます。

枯枝は木の懐に入る光や風を遮ってしまいます。

光が入らないと、内側の葉は枯れます。

風が通らないと、病気や害虫が発生しやすくなります。

枯枝は硬く、触れば手を引っ掻き、硬い生垣になってしまいます。

 

刈込む生垣から、透かす剪定へと変えてみるのはお勧めです。

 

 

 

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