土の搬出と、暗渠まで終わって、次は石積みです。
いろんな石があるので、どんな石積みにしたいかでどの石を選ぶかも変わってきます。
それは、色であったり、積み方であったりです。
そのなかで、一番安価に出来るのは、やっぱり地元の石です。
海外から仕入れるような石だと、長い時で3か月とか在庫切れなんてこともありますし、輸送費やなんやかんやで石代も高額になります。
ギリギリで頼んで、やっぱり足りないってなると工事が止まってしまうので、余裕を持って発注するのでそこでもやはり料金が発生してしまいます。
その点地元の石なら、あとちょっと足りないって時でも、取りに行って持ってきたらすぐ工事再開できるし、ロスも少ないです。
鉱山では石の地層を大型の機械で掘削し、篩に通してある程度のサイズ分けがされています。
一番手前にみえている石で、だいたいが20~50kgくらいかなと思いますが、中には手では全く動かない100kgくらいありそうなものもあります。
実際の石積みでは、もう少し小さいものも混ぜて表情に変化をつけて積んでいます。
空積みで、絶対的な重量と控えの長さが必要な時は、小さいのは使いませんが、モルタル固定なら比較的小さい石でも使えるのは作業が楽ではあります。
石の山の中から一つづつ使えそうな石を探して手で積んで持ってきます。
終わってから計算してみると、今回の工事ではおおよそ10tくらいこの石を使ったようです。
石を積んでいるときは、こんな角度でこれくらいの大きさの石で~と、欲しい石を探しています。
なので現場に着いたら、一番良い面が見えるように、ある程度大きさを分けて、置いていきます。

もともとの地山で、地質的にも崩れることが無いうえに、曲線の構造は直線よりも強度的には強いので、必要ないかもしれないですが、
裏込めと一体で持たせる意味を込めて、ベースで2本、約70cmの立ち上がりで3段、鉄筋を配してます。
最後の写真では手前の方は天端まで来たようです。
だいたい定点で撮ってるんですが、徐々に積みあがってくるのは感慨深いです。
一人で仕事していると自分がやらないと何も進まないので、一つ積むごとに、完成に向かってると自分を鼓舞してる感じです。
そして積みあがりました。
結構時間がかかったような、意外とそうでもなかったような。
暑かったり寒かったり大変だったことをすぐ忘れちゃう人しか職人には向いてないかもです。
とりあえずこれで石積みの土留めは完成です。